TBS金曜ドラマ「フェイクマミー」が12月12日に最終回を迎えました。最終回の冒頭では花村薫(演 波留) が日高まみえ(演 川栄李奈) を脅迫して、いろは(演 池村碧彩) の代理母になり、報酬を得ていたとして自首。私立小学校受験の母親の替え玉の罪を、花村薫が全て被るという展開で話が進んでいました。しかし、日高まみえは花村薫一人に罪を背負わせることを許さず、真実を公表します。その結果、最終的には、学校側が教育方針や学校の在り方を変えるとして、日高いろはの退学は取り消し、いろははジーニアス留学制度にも選出されるという、力業のハッピーエンドで幕を下ろしました。視聴者の多くは、このハッピーエンドに歓喜しているようですが、「この最終回はおかしい」「この脚本には納得できない」と感じている方も多いはず。本記事では、ドラマ「フェイクマミー」最終回の違和感についてまとめました。
WHstudio Leushin Nが撮影した画像(加工して掲載)
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【フェイクマミー脚本がおかしい】最終回の違和感まとめ
画像出典：TBSドラマ金曜ドラマ「フェイクマミー」最終回より
ドラマ「フェイクマミー」は替え玉の母親を使って娘を名門小学校へ送り込むという「ファミリークライム・エンターテイメント」です。最終回の冒頭では、替え玉の母親になった花村薫(演 波留) が、一切の罪をかぶり、日高まみえ(演 川栄李奈)、いろは(演 池村碧彩)母娘を被害者に仕立てることで、いろはを学校に残し、さらにはまみえの上場したばかりの企業「RAINBOW LAB」を守るという展開になっていました。
日高まみえと、花村薫が複数の罪、「有印私文書偽造および行使罪」、「偽計業務妨害」、「建造物侵入罪」などに抵触している可能性が極めて高い状況ですから、この花村薫が一人で罪をかぶって、日高まみえ、いろは母娘と「RAINBOW LAB」を守ろうとするのは、ある意味、合理的な判断で理にかなっていると言えます。
日高まみえを被害者という立場に置いたことで、世間は彼女に同情し、上場したばかりの「RAINBOW LAB」の株価も上昇。日高まみえを応援したいという声が世間に広まります。
しかし、そもそもいろはのお受験用の母親になってほしいと話を持ち掛けたのは、日高まみえです。花村薫一人を犠牲にして幸せになることを受け入れられなかった日高まみえはSNSで、自身の罪を告白し、「花村薫から脅迫などされていない」ことを公表しました。
ですが、日高まみえがそれを公表したとしても、花村薫の罪が消えてなくなってしまうわけではありません。日高まみえと花村薫が共犯関係だったことを明らかにしただけの事です。
そうなれば、いろはの柳和学園退学は避けられなくなるばかりか、上場したばかりの「RAINBOW LAB」は社長の不祥事という事で会社の信用を大きく損なう事になります。不正行為を行い小学校のお受験をし、学校にもぐりこんだわけですから、それは当然ともいえます。
ですが、
ここからドラマ「フェイクマミー」は
おかしな方向に話が進みます。
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花村薫は、「仕事に打ち込む母親は子供を犠牲にしていると言われ、家庭に専念する母親は自立していないと言われる。そうした分断を自分たちなりに解決したかった」、さらに「誰かが決めた理想に合わせる事より、互いを支え合い認め合う事の方がよっぽど大切だ」と説き、「母親が2人いてもいいじゃないか」という偽ママ行為を正当化する発言をしました。そうです、花村薫はここで論理のすり替えを行いました。
母親が2人いてもいい世の中を
構築する事と、
小学校の受験に替え玉の母親を使う事は、
全くの別問題です。
また、日高まみえと花村薫の偽ママ契約を知っていた担任の佐々木先生(演 中村蒼) は、自身が共犯関係にあることをひたすら黙っていたことにも非常に違和感を感じました。児童のことを第一に考えるべき担任教師が、自分可愛さのために不正を明らかにしないというのは、ちょっと残念過ぎます。佐々木先生はそんなキャラでしたっけ??
ドラマ「フェイクマミー」では、事情説明会での花村薫、日高まみえ、いろはの主張によって、柳和学園の校長が感化され、学校の教育方針を改め、日高いろはの退学を撤回するという展開になりました。
学校側が簡単に教育方針を変更するという事にも、大きな違和感を感じます。
学校の教育方針を変えることと、
受験で不正を許さないこととは、
全く別の話ですからね。
ドラマ「フェイクマミー」最終回では、日高いろはの退学が撤回され、更にいろははジーニアス留学制度にも選抜されました。これでは、不正受験を行ったことがまるでなかったかのことのようになっています。
結局、日高まみえ、いろは、花村薫、担任の佐々木先生は、不正受験に加担していたにもかかわらず、誰一人処分されないという異常事態になっています。
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ドラマ「フェイクマミー」の最終回としては、柳和学園が教育方針を変更するにしても、日高いろはは退学となり、日高まみえの会社「RAINBOW LAB」も、それなりの社会制裁を受ける流れになった方が現実的だったと思います。
その上で、日高いろはが宇宙飛行士の夢に向かって、また歩き出す姿を描いてほしかったです。
ドラマ「フェイクマミー」最終回、花村薫の長台詞、金八先生第２シーズンを思い出しました。
ドラマ「フェイクマミー」最終回の中盤、説明会で花村薫(演 波留) は、日本の母親は１人でこなさなければならない仕事が多すぎる、もっと互いに支え合い認め合う事が大切だと説きますが、自分たちが行った替え玉母親の不正受験に対して責任を取ろうとする姿勢が全く見えませんでした。
昭和の学園ドラマの名作「3年B組金八先生第2シーズン」で、生徒の加藤(演 直江喜一)と松浦(演 沖田浩之) は、隣の中学に乗り込んで、教師数人を放送室に拉致して、これまでの教師のひどい振る舞いに対して、謝罪させるという事件が描かれました。警察に補導された生徒たちを引き取りに来た、桜中学と荒谷二中の教師、両校のPTAなどが、警察署の会議室で警察側と引き渡しに関して、喧々諤々議論した際に、金八先生(演 武田鉄矢)は、自身の教育理念をぶちまけるシーンがありました。
しかしドラマ「3年B組金八先生第2シーズン」では、彼らが引き起こした事件に関して、金八先生はきついビンタを食らわせることで加藤と松浦に制裁しました。監禁事件でしたが未成年が起こした事件だった事、荒谷二中側にも憂慮すべき落ち度があった事などから、担任の金八先生の強烈なビンタが２人の罪に見合っていると、視聴者も感じたことから、「3年B組金八先生第2シーズン」の「卒業前の暴力前編・後編」の回は後世に語り継がれる名シーンとなりました。
ですが、今回のドラマ「フェイクマミー」最終回では、日高まみえ、花村薫が無罪放免になったことに大きな違和感を感じざるを得ません。
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まとめ
12月12日に最終回を迎えたドラマ「フェイクマミー」ですが、不正受験を行った日高まみえ(演 川栄李奈)、いろは(演 池村碧彩)、花村薫(演 波留)、そして偽ママを知りながら学校へ報告しなかった佐々木先生(演 中村蒼)らが、全く制裁を受けないストーリー展開だったことに非常に違和感を感じました。最終回を見た視聴者は、ハッピーエンドに満足する声が多く見受けられましたが、いやいや、この最終回はおかしいでしょ、という点についてまとめました。
ドラマ「フェイクマミー」がスタートした時点から、これは明らかな犯罪行為を犯しているわけなので、どのように決着するのか? に大変興味がありましたが、受験の不正行為で誰も裁かれずに最終回を迎えたことに、非常に違和感を感じます。脚本がおかしいと感じずにはいられません。不正行為に関して、しっかり責任を取った上で、ハッピーエンドを描いてほしかったです。そうすれば、ドラマ「フェイクマミー」は令和の名作ドラマになっていたかもしれません。それを期待していた筆者からすると、非常に残念な最終回でした。
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