中居正広氏が弁護士5人からなる弁護士団を結成し、フジテレビ第三者委員会の調査報告書に再反論を行い、中居正広氏は何で理解できないのか? 中居正広氏の反論は筋違いではないか? と世の中の注目を集めています。フジテレビ第三者委員会が中居正広氏の反論に「事実認定は適切だった」とする根拠は、フジテレビ第三者委員会の調査報告書をしっかり読み込めば理解できます。しかし、文字だらけのフジテレビ第三者委員会の調査報告書、読んで理解するのは簡単な事ではありません。本記事では、「本事案」とされる中居正広氏と女性A氏との間に起きたトラブルを巡り、編成幹部B氏、中居正広氏、被害に遭ったとされる女性A氏の行動を時系列で表にまとめました。この時系列表を見ると、第三者委員会が中居正広氏の「せいぼうりょく」を認定した根拠がよくわかります。以下に解説します。
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中居正広氏の反論の内容
「日刊スポーツ」が報じた中居正広氏の反論の全文を見ますと、中居氏の主張は、WHOの定義でいうところの「せいぼうりょく」は範囲が広すぎる、自分は直接的な「ぼう力」や「きょう迫」は行っていないし、そもそも本事案は2023年6月2日の夜に中居氏の自宅マンションの密室で起きた事なのに、何でフジテレビ第三者委員会が事実認定できるわけ?? 見たんか!! という言い分の様です。
Image by Лечение наркомании from Pixabay
一方、フジテレビ第三者委員会のスタンスとしては、こういう類のハラスメントは、密室で起こる場合が多く、ハラスメントを目撃した人がいないなど客観的証拠が存在しないケースがほとんどで別に珍しい事ではない、という事なんだと思います。加害者や被害者の証言だけでは強い主観や嘘が含まれる可能性が十分にある為、それだけでは信用できないというわけです。こうしたケースの事実認定は、不可能というわけではなく、問題行為の前後の客観的状況や関係者の供述証拠、伝聞証拠を集め、それらを基に間接事実を積み上げて事実認定することが認められています。調査実務においてごく一般的な事です。
中居氏はこの事を理解できていない様でしたので、フジテレビ第三者委員会のヒアリングでは「守秘義務にこだわらずに約6時間にわたり誠実に回答した」と「日刊スポーツ」が伝えています。この文面ですと、本来は守秘義務が巻かれていて話してはいけない事を中居氏が守秘義務を破って話したと読み取れます。要するに、中居氏が6時間語った事の中に、女性A氏が同意していたと取れるやり取りが存在しているものと思われます。
しかし、そもそも本事案について先に口外禁止の守秘義務を巻いたのは中居正広氏と女性A氏です。フジテレビ第三者委員会はこの守秘義務は調査の為に邪魔になるので双方に解除するよう依頼しました。それに対し、当初は解除すると言っていた中居氏側は結局守秘義務解除には応じませんでした。守秘義務解除に応じたのは、女性A氏側のみでした。
中居氏側には、守秘義務で巻かれている本事案の中に、中居氏側が有利になるものと、不利になるものが混在しているものと推測されます。中居氏はフジテレビ第三者委員会に守秘義務を破って、有利な情報だけを伝えたんだと思います。
しかし、フジテレビ第三者委員会は、そもそも本事案で何が起きていたのか、詳細が分からなくても、本事案の前後の出来事から何が起きていたかの事実認定が出来る事から、中居氏が語った6時間のヒアリング内容を全く無視しても問題はなかったという事です。
本事案の前後に起きた事を
時系列で整理した表を見れば、
法律の専門家でなくとも、
本事案でどんなことが起きていたのか?
推測することは
一般人でも可能だと思います。
以下がその本事案の前後に起きていた事柄を時系列でまとめた表です!
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フジテレビ第三者委員会の調査報告書を時系列でまとめた一覧表
UnsplashのMaksim Zhashkevychが撮影した写真
【表の見方】長い表の為、3分割しています。表の中ほどに黒色で本事案について記入があります。本事案の内容が全くのブラックボックスになっていたとしても、本事案発生前の出来事(前足)と本事案発生後に起きた出来事(後足)を精査すれば、本事案で何が起きていたかはっきり見えてきます。
フジテレビ第三者委員会の調査報告書を
時系列でまとめた一覧表
| 年 | 月日 | 編成幹部B氏の行動 | 中居正広氏の行動 | 女性A氏の行動 | |
| 本事案 発生前(前足) | 2021年 | 11月頃 | タレントU氏も交え「スイートルームの会」を企画、女性A氏を誘う。※タレントU氏は活動休止中の大物芸人、あの人です。 | 出席の意向を伝える。 | |
| 12月18日 | 「スイートルームの会」に3人とも出席。 | ||||
| 12月24日 | フジテレビ番組忘年会に3人とも出席。 | ||||
| 2022年 | 1月17日 | タレントU氏を交えた会食に女性A氏を誘う。 | 翌日朝が早いからと断る。 | ||
| 5月頃 | 港氏の誕生日会に出席。 | 港氏の誕生日会に出席。 | |||
| 8月頃 | タレントU氏を交えた会食に女性A氏を誘う。 | 「喉の調子が悪い」と言って断る。 | |||
| 2023年 | 5月28日 | 中居正広氏は5月31日に笑福亭鶴瓶氏とヒロミ氏とゴルフに行く予定でしたが悪天候予報でゴルフを中止、中居氏宅でB氏を交えて「BBQの会」を計画。女性A氏を含めた女子アナウンサー等数人を誘う。 | B氏からBBQの会場は中居氏の自宅と言う説明を聞いておらず、打ち上げなどが行われる場所だと説明を受けていた。 | ||
| 5月31日 | 中居氏宅マンションの「BBQの会」に3人とも出席。B氏は会場に向かうタクシーの中で女性A氏にBBQの参加は「仕事でプラスになる」と説明していた。 参加者／中居正広氏・笑福亭鶴瓶氏・ヒロミ氏・女性A氏・フジ女子アナT・女性スタッフ・TBS男性社員2名他 「BBQの会」終了後、中居氏、B氏、女性A氏で寿司店に行く。寿司店で中居氏と女性A氏が電話番号を交換。 寿司店の支払いはB氏が行う。(※フジテレビの経費として支払い) 女性A氏はB氏にラインでお礼の言葉を送信し、中居氏にはショートメールでお礼の言葉を送信。 | ||||
| 6月2日 12時11分 | 女性A氏に「今晩ご飯どうですか?」と誘う。数人に声をかけていると伝える。 | 時間も空いているので会食に参加すると伝える。 | |||
| 6月2日 17時46分 | 女性A氏に雨でメンバーが集まらない、2人だけになるけどどうする?と連絡。※実際は誰も誘っておらず、飲食店も探していなかった。 | ||||
| 6月2日 19時14分 | 女性A氏に結局他のメンバーは見つからず二人きりの食事になると伝える。場所は前回BBQをしたマンションはどうかと提案する。 | マンションで2人きりで食事することに抵抗があったが、「今晩暇だ」と答えていた手前、断る事が出来なかった。断れば今後の仕事にも差し障ると思い行くことにした。 | |||
| 本事案発生 | 2023年 | 6月2日 夜 | 本事案発生 ブラックボックス 女性Aが中居氏宅マンションに入出してから退出までに起きた事実について口外禁止・守秘義務が双方に課された。 中居氏の行為1 女性A氏の行為1 中居氏の行為2 女性A氏の行為2 中居氏の行為3 女性A氏の行為3……… この間の事実は第三者委員会は双方にヒヤリングしていない。中居氏が守秘義務を破って一部話した可能性がある。 | ||
【下記に続く】
フジテレビ第三者委員会の調査報告書を時系列でまとめた一覧表／その1
表／FREE FOWLS新石垣島ブログ
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【続き】
| 年 | 月日 | 編成幹部 B氏の行動 | 中居正広の行動 | 女性Aの行動 | |
| 本事案発生後(後足) | 2023年 | 6月3日～5日 | フジテレビ第三者委員会の調査報告書に記載情報なし。 ※メディアでは空白の3日間と言われている。 | ||
| 6月6日午前 | 女性A氏はフジテレビ産業医に本事案について相談。女性A氏は精神的混乱に陥る。 | ||||
| 6月6日午後 | 女性A氏は号泣しながら本事案をアナウンス室長に報告。アナウンス室長はアナウンス部長にも相談した方がいいと女性A氏を促す。 | ||||
| 6月7日 | 電話、もしくはショートメールで女性Aに連絡を続ける。 | 女性A氏はアナウンス部長に本事案を報告。※アナウンス部長は佐々木恭子氏。 | |||
| 6月8日～10日頃 | 女性A氏は通常業務に就く。 | ||||
| 6月11日～17日 | 再び体調不良で休務。6月15日に中居氏に本事案が原因で仕事を休むと報告。 | ||||
| 6月21日～7月10日 | 女性A氏は回復し通常業務に復帰。 | ||||
| 7月11日 | 女性A氏、再びの体調不良と精神的なダメージにより入院。入院時の都内某病院宛ての「紹介・診療情報提供書」には、傷病名を「うつ状態、食思不振」とし、「仕事関係者からのハラスメントによる」と記載される。 中居氏にも本事案が原因で入院すると報告。 | ||||
| 7月12日 | 中居正広氏から女性A氏とトラブルになったと電話で報告を受ける。 | B氏に女性A氏とトラブルになった事を連絡。B氏の上司にも連絡。 | 摂食障害とうつで入院した事、仕事が出来なくなり悔しい事、長期入院を余儀なくされ生活費が困窮していることを中居氏にショートメールで報告。 | ||
| 7月13日 | 中居正広氏の事務所に、B氏とB氏の上司が出向き本事案について相談される。中居氏は、事態が悪い方向に向かっていると話し、二人に助けを求めた。 | ||||
| 7月14日 | 見舞金を贈与税のかからない範囲で支払いたい、B氏に届けさせると女性A氏に提案。 | 本事案が不同意であった事、精神的に参っている事、産業医や病院の医師から中居氏を訴えるべきだと進められていることを報告。同時に穏便に済ませたいという気持ちもあり、自分では負担しきれない治療費・入院費を中居氏に支払うように求める。 | |||
| 7月22日 | 女性A氏の提案に中居氏はフジテレビの人間を第三者として間に入れようと提案するも、女性A氏はそれだと自分が不利になるとして中居の提案を拒否した。 | これは「見舞金」うんぬんという類のものではない、弁護士など第三者を入れて話し合いをすべきだと中居氏に連絡。 | |||
| 7月28日 | 中居氏がB氏に見舞金100万円を託し、女性A氏が入院する病院に届けさせた。 | 女性A氏は病院の判断で見舞い品の中身を確認していない。病院が中身を確認。女性A氏は見舞い品を受け取らずB氏を通じて中居氏に戻される。※週刊文春の記事では届けられた見舞いは20万円程だったと報じられています!!(この件は別記事に詳しくまとめています。) | |||
| 7月31日 | 電話、ショートメールで女性A氏に連絡を続ける。 | 女性A氏はアナウンス部長に中居氏やB氏の振る舞いがうっとうしく精神的負担になっていると苦情を言う。 | |||
| 7月末頃 | 当初、退院は7月末頃を予定していたが、その直前に女性A氏が自称行為を行う。→精神科に転科、PTSDと診断される。 | ||||
【下記に続く】
フジテレビ第三者委員会の調査報告書を時系列でまとめた一覧表／その2
表／FREE FOWLS新石垣島ブログ
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【続き】
| 年 | 月日 | 編成幹部 B氏の行動 | 中居正広の行動 | 女性Aの行動 | |
| 本事案発生後(後足) | 2023年 | 8月1日 | 女性A氏から連絡して来るなと言われたにもかかわらず、その後も9月中旬まで1週間に1回程度ショートメールを送り続ける。 | 中居氏に対して、治療に専念したいので連絡してこないで欲しいと伝える。その後、女性A氏から中居氏に連絡していない。 | |
| 9月上旬 | 退院。退院後、服薬・通院しつつ自宅療養。10月から業務復帰を目指すも復帰の目途が立たなかった為、1つの番組以外全て降板した。1つの番組は女性A氏が戻る場所として残された。 | ||||
| 10月下旬 | 中居氏はB氏に女性A氏の病状やフジテレビ内の対応状況を探るように依頼。女性A氏がインスタグラムに投稿したことで慌てた中居氏は女性A氏と連絡を取ろうとしましたが、B氏がそれを止めさせました。 | インスタグラムに入院時の画像をアップ。ネットニュースなどで取り上げられる。 | |||
| 11月10日 | 中居氏は女性A氏から本事案に関する内容証明郵便を受け取る。中居氏はB氏に弁護士を紹介して欲しいと依頼。 | 中居氏に本事案に関する内容証明郵便を送付 | |||
| 2024年 | 1月7日 | 示談成立。本事案と示談契約の内容が守秘義務の対象とされる。 | |||
| 2024年 | 4月30日 | 産業医と面談。 フジテレビ局内に中居氏のポスターが多数ある事から業務復帰に懸念を示していた。 | |||
| 5月～6月 | 5月～6月にかけて体調悪化するも、6月頃からのトラウマ治療により次第に回復。女性Aはフジテレビ退職を決める。 | ||||
| 7月4日 | アナウンス部長に退職意向を伝え、協議の末了承される。 | ||||
| 2024年 | 8月31日 | 女性A氏、フジテレビを退職。 | |||
フジテレビ第三者委員会の調査報告書を時系列でまとめた一覧表／その2
表／FREE FOWLS新石垣島ブログ
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上記の表が示しているのは、本事案の前の女性A氏の様子から、女性A氏が中居正広氏に好意を持っている様子が全く見受けられない事です。そして、本事案の後の出来事を見ると、女性A氏の心身の壊れ具合が相当に酷い事と、それに対する中居氏の対応に全く愛が感じられない事から、
本事案は
「同意」が形成された上での出来事だったとは
とても考えられない
という結論に容易に到達できますよね。
これだけの膨大な調査があってこその事実認定ですが、調査報告書を読み解けば、
中居正広氏に対する
フジテレビ第三者委員会の事実認定は、
めっちゃ適切だった
と言えますよね。
中居正広氏が主張したいのは、本事案の守秘義務が巻かれた中で、女性A氏の行為1と女性A氏の行為2の行為は、「同意を示したと受け取れる行為」だから、これは主張したい。でも自分の中居氏の行為2と中居氏の行為3は世間に知られては困る、だから守秘義務は全部解除できない。一部分だけ解除するというならに応じてもいい、みたいな事ですよね。これ、あまりにも都合よすぎですよw。
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まとめ
中居正広氏がフジテレビ第三者委員会の調査結果に対して再反論をしていますが、中居氏が反論していることは、調査報告書をしっかり読み解けば、全部記載されているという事について解説しました。文字だらけの調査報告書を理解しやすくするために、編成幹部B氏、中居正広氏、女性A氏の行動を時系列で整理して一覧にしました。
中居氏の再反論に回答する義務はもはやないと思いますが、第三者委員の竹内朗氏、五味祐子氏、山口利昭氏が世間に名前を売りたいと思っていた場合はまた親切に回答してくれると思います。
中居氏側の弁護団がちょっと雑な感じがするのが気になります。中居氏は弁護団の金づる扱いになってやしないか、心配になりますよ。今後の展開に注目です!
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