「MIPCOM BUYERS’ AWARD for Japanese Drama」とは何? カンヌでグランプリ受賞の「VIVANT」は今後どうなるの?

TBSドラマ「VIVANT」にノコル役で出演していた二宮和也さんが、2023年12月3日、自身のラジオ番組「BAY STORM」の中で最近最もうれしかったことを聞かれ、ドラマ「VIVANT」がフランス・カンヌで賞を貰ったことだと述べました。ドラマ「VIVANT」は2023年の「MIPCOM BUYERS’ AWARD for Japanese Drama」でグランプリを10月に受賞しました。「MIPCOM BUYERS’ AWARD for Japanese Drama」とは何なのか? カンヌでグランプリを受賞したドラマ「VIVANT」は今後どうなっていくのか? について調査しました。

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「MIPCOM BUYERS’ AWARD for Japanese Drama」とは何?

二宮和也さんは漠然と、「VIVANTがカンヌで賞を取った」とおっしゃっていました。日本人感覚では「カンヌ」と聞くと連想するのが「カンヌ国際映画祭」です。

カンヌ国際映画祭は商業映画よりもインディペンデント映画^※1やアート映画が評価される傾向があり、革新的でアート性の高い作品が高評価を受ける国際映画祭です。ノミネートされる作品はカンヌ国際映画祭の審査員選出します。

※1　インディペンデント映画とは、メジャースタジオや大手配給会社とは縁のない、独立系の制作会社や個人が自主製作する作品のことを指します。インディペンデント映画のほぼすべての作品が低予算、かつ実験的な試みを映画に持ち込んでいます。インディペンデント映画は製作の自由度が高く、監督独自の作品性を追求できる一方で、配給やプロモーションで不利な側面もあります。しかし近年ではメジャーな配給会社に取り上げられることも増えています。

最高賞であるパルムドールの受賞によって、埋もれていた作品や監督の評価を一気に世界的レベルにまで押し上げることから、カンヌ国際映画祭は最も権威のある映画賞のひとつといわれています。

と考える方、きっと多いと思いますが、「MIPCOM BUYERS’ AWARD for Japanese Drama」は調査したところ、そういった類のものではないことか判明しました。

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「MIPCOM BUYERS’ AWARD for Japanese Drama」は「国際ドラマフェスティバル in TOKYO」という団体がカンヌで行っている日本のドラマ作品(コンテンツ)見本市だという事が判明しました。

どういうことかといいますと、これまで世界で放映される日本のドラマ作品がほとんどなく、日本ドラマが海外進出しずらいことを打破すべく、2007年に日本の放送コンテンツに関わる全ての関係者(日本民間放送連盟・NHK・番組制作プロダクション、映画製作社・その他映像関連団体) が参加し「国際ドラマフェスティバル in TOKYO」という団体が創設されました。

要するに、個々に動いて海外に販路を見出そうとするよりは、「チームJAPAN」、みんなで固まって、海外に日本のドラマを売り込みに行こう! というものです。

そして、その日本の団体「国際ドラマフェスティバル in TOKYO」が毎年、フランス・カンヌで開催しているイベントが「MIPCOM BUYERS’ AWARD for Japanese Drama」という事なんですよ。

「MIPCOM BUYERS’ AWARD for Japanese Drama」は日本の民放各局が世界に売り込みたい推しのドラマを各1本ずつ選出し、それを「MIPCOM BUYERS’ AWARD for Japanese Drama」側が招いた海外の映像コンテンツバイヤー^※1の方たちに審査員になってもらって、「自分で買いたい」「自分のマーケットで紹介したい」という基準で優秀作品を見出し、グランプリと奨励賞の2作品を選出しているというわけなんですよ。

※1　2023年は、ドイツ、フランス、イギリス、カナダ、中東諸国、インドなど多彩な国からバイヤーが集結しました。

なので世界中の名作テレビドラマを抑えてドラマ「VIVANT」がグランプリに選ばれたわけではなく、ドラマ「VIVANT」が競い合ったライバルは下記の日本で制作されたテレビドラマ10本だったわけです。

「MIPCOM BUYERS’ AWARD for Japanese Drama 2023」
ノミネート作品

No.	放送局名	タイトル
1	NHK	大奥
2	日本テレビ	ブラッシュアップライフ
3	テレビ朝日	シッコウ!! ～犬と私と執行官～
4	TBSテレビ	VIVANT 【グランプリ】
5	テレビ東京	ブラックポストマン
6	フジテレビ	silent
7	ABCテレビ	何曜日に生まれたの
8	関西テレビ	罠の戦争
9	読売テレビ	勝利の法廷式
10	WOWOW	連続ドラマW フェンス 【奨励賞】

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「MIPCOM BUYERS’ AWARD for Japanese Drama」でグランプリを取ると今後どうなる?

カンヌ国際映画祭で、最高賞「パルムドール」を受賞しようものなら、一夜にして、その作品の評価も、監督の評価も世界レベルにまで引き上げられちゃいますけど、「MIPCOM BUYERS’ AWARD for Japanese Drama」でグランプリを受賞した「VIVANT」は今後どうなるのか?

「MIPCOM BUYERS’ AWARD for Japanese Drama」でグランプリを受賞した「VIVANT」は、国際的な注目を浴びるきっかけを得たことになります。具体的に言うと下記のチャンスを得たことになります。

などのメリットが生まれます。

TBSドラマドラマ「VIVANT」は、制作段階から、この海外配信を見越して、日本のドラマでは考えられない1話1億円の予算でドラマ制作されたといいます。なので、「MIPCOM BUYERS’ AWARD for Japanese Drama」ドラマのグランプリ受賞は、ドラマ「VIVANT」の制作陣の目論見どおりにはまってきたという事になります。

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まとめ

TBSドラマがカンヌの「MIPCOM BUYERS’ AWARD for Japanese Drama」でグランプリを受賞したというニュースを受けて、そもそも「MIPCOM BUYERS’ AWARD for Japanese Drama」とは何なのか? そして「MIPCOM BUYERS’ AWARD for Japanese Drama」のグランプリを受賞したドラマ「VIVANT」は今後どうなっていくのか? について調査しました。

「カンヌ」という言葉だけを聞くと一見、カンヌ国際映画祭のように、世界的な評価を受けたかのように感じるニュースの伝え方でしたが、実際は、海外に進出する足掛かりを得た、という事のようです。

実際、ドラマ「VIVANT」はとんでもなく面白いドラマでしたから世界配信されれば、注目される出演俳優さんもでてきそうですよね。

主演の堺雅人さんよりも、公安警察の警察官・野崎守役を演じた阿部寛さんとか、渡辺謙さん並みの国際ブレイクするんじゃないかと思うんですけどね～

ドラマ「VIVANT」は、前回放送されたストーリーを含めて3部作構成になっているといいます。今後の続編も非常に楽しみです。世界中に「VIVANT」旋風吹き荒れる日が来るかもしれませんね～。

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