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エリザベス女王、ご遺体はどうなる?ミイラになる?地中に埋葬されない棺

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2022年9月19日に執り行われたイギリス・エリザベス女王の国葬。エリザベス女王のご遺体を納めた棺は、ロンドン郊外にあるウィンザー城の敷地内にある聖ジョージ礼拝堂のキング・ジョージ6世記念礼拝堂の納棺堂に納められたとのことです。ご遺体を火葬するのが一般的な日本人からすると、納棺堂に納められたご遺体は棺の中でどうなるのか? とても気になると思うんですよ。土葬であれば、「ご遺体はやがて土に還る」という理解が出来るんですが、土に還さないご遺体はどうなるの? って疑問に思います。ミイラになるのかな? どうなんでしょう。。。地中に埋葬されないエリザベス女王の棺、中のご遺体はどうなるのか? 非常にデリケートな事なので知らなくていい事なのかもしれませんが、どうしても気になったので調べてみました。

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地中に埋葬されないエリザベス女王の棺、ご遺体はどうなるのか?

日本では、亡くなられた方のご遺体は火葬にするのが主流です。そんな日本人でも「土葬」ということで地中に棺を埋葬されるという事であれば、棺(棺桶)もやがて朽ち果て、中のご遺体もやがて土に還ると理解できますが、納棺堂に納棺されたというエリザベス女王の棺、中のご遺体はどうなるのか? 想像できない方も多いのではないでしょうか? 調べてみたところ、

イギリスの王室では
亡くなられた王族の方たちは、
「エバーミング」が施され、
鉛で内張りされた棺の中に納められ
王室の金庫室に納棺される、

のが一般的だそうです。

「エバーミング」ってなに?

って思いますよね~。解説していきます。

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エバーミングとは

日本人には全く馴染みのない「エバーミング」。日本語にすると「遺体衛生保全」となります。エバーミングとは簡単に言いますと、放っておけば数日後から腐敗が始まってしまうご遺体をお亡くなりになった時の状態のままきれいに保存する処置の事を言います。ただ保存するだけが目的ではなく、事故等でご遺体に損壊がある場合は損壊部分に修復を施します。さらに、ご遺体には遺族から指定された服を着せて横に寝かせ、ご遺体が安らかに眠っている状態を作り出すことを目的としています。そうすることにより、葬儀が執り行われるまでご遺体を安らかに保ち、ご家族、ご友人との最後の別れを参列者が穏やかな気持ちで行えるようになります。一見、日本で「おくりびと」と言われた「納棺師」の仕事を連想された方もいらっしゃると思いますが、エバーミングは日本の「納棺師」の方がする処置からさらに踏み込んだ処置を行います。ご遺体の体内の血液を全て抜き防腐剤と置き換える、腐敗しやすい内臓を取り出すなど医療的な処置も含まれます。作業するのはエンバーマーと呼ばれる資格を持った方が行い、一般的なエバーミングで10日ほどご遺体をきれいな状態で保てるといいます。

ご遺体の埋葬方法が「土葬」になる欧米ではエバーミングは葬儀と一体的に扱われており、一般的なものになっているといいます。

※ちなみにイギリスでは火葬が7割、土葬が3割を占めており土葬が主流の欧米では珍しいです。イギリスで火葬が多いのは18世紀半ばから19世紀にかけて起こった産業革命の際、ロンドンに人口が集中し埋葬が追い付かず困難になって感染症がまん延したことをきっかけに火葬することが増えていったとのことです。

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エリザベス女王のエバーミング

エリザベス女王のご遺体にエバーミングが施されたかどうかの発表はありませんが、イギリス王室ではエバーミングが慣例的に行われてきました。エリザベス女王が亡くなられた日から11日後に国葬が執り行われたことを考えますと、エリザベス女王には最高の防腐剤、最高の施設、最高のプロセスが用いられたエバーミングが施されたと言っていいと思います。南アフリカのニュースサイト「news24」によりますと、エリザベス女王のご遺体が納められた棺は鉛の内張りによって250キロにも及び、棺はその鉛で気密性が高められており、湿気の侵入をシャットアウトできることから、エリザベス女王のご遺体は1年間はそのまま保たれるのではないかと伝えています。

エリザベス女王は棺の中でミイラになるの?

UnsplashNarciso Arellanoが撮影した写真

1年間、きれいに保たれたエリザベス女王のご遺体はそれ以降どうなるのでしょう? エリザベス女王のご遺体には最高防腐剤およびプロセスを用いたエバーミングが施されますので、時間が経つと棺の中でミイラになるのでしょうか?

答えはNOです!

アメリカのニュースサイト、Business Insider によりますと、エバーミングを施されたご遺体は、保存の環境が良ければ自然にミイラの状態になることもあるといいますが、そこからさらに時が進み100年ほど経つとミイラ化した皮膚も骨も分解され、最後に残るのは、身体の脂肪分が化学変化した石鹸の様な物質、歯、それとご遺体が着用していた化学繊維の服の残骸だけになるとのことです。

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ミイラとしてご遺体を残す場合は、エバーミングとはまた異なる処置を施さないといけないそうです。エバーミングでご遺体を永久保存することも出来ますが、そうするには定期的なメンテナンスを施さないといけないといいます。エリザベス女王の棺は今後、永遠に開けられることがないということと、今の時代にミイラとしてご遺体を残す処置には120日もかかる※1とされていますので、今回エリザベス女王のご遺体にそのように処置を施す時間はなかったので、エリザベス女王が棺の中でミイラになる事はありません。

※1 今の時代にご遺体をミイラにする作業を請け負う業者がアメリカにあるそうです。詳しくはコチラのサイト をご参照ください。

エリザベス女王が埋葬されたのはどこ?

エリザベス女王は生前、旦那さんのフィリップ殿下と「どちらが先に亡くなっても埋葬は一緒に」というお約束を交わされていました。そのため、2021年にお亡くなりになったフィリップ殿下の棺は「王族の金庫室」(Royal Vault)に保管されていいましたが、今回、エリザベス女王の棺と一緒に運び出され、ウィンザー城の敷地内にある聖ジョージ礼拝堂のキング・ジョージ6世記念礼拝堂の納棺堂に一緒に納棺されました。

クリックして拡大

画像出典:TT News のサイトより

キング・ジョージ6世記念礼拝堂は、エリザベス女王の父であるジョージ6世が、生前、王室金庫室への埋葬を拒んでいた事をくんでエリザベス女王が聖ジョージ礼拝堂内に新たに納棺堂を1969年に増設したものです。上記の画像を開くとわかりますが非常に小さな小部屋になっています。そこにはすでに、エリザベス女王のご両親である、ジョージ6世、エリザベス1世の棺が2つと妹のマーガレット王女の遺灰が納められています。マーガレット王女がイギリスの王室の慣例ではない火葬になったのは、晩年健康状態が悪かったマーガレット王女がご自身が亡くなったら父であるジョージ6世とともに埋葬されたい、という強い思いを持たれていたことから、狭いキング・ジョージ6世記念礼拝堂にご自分を一緒に納めてもらえるように火葬を希望されていたとのことなんですよ。

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キング・ジョージ6世記念礼拝堂の床には「レッジャーストーン」と呼ばれる石板があります。この石板は重要な故人の埋葬場所を示すものとなります。

上図のレッジャーストーンには名前は2つしか刻まれていませんが、現在、新しいレッシャーストーンには、上からジョージ6世/エリザベス1世/ガータースター勲章のエンブレム/エリザベス2世/フィリップ殿下の順に名前が刻まれています。

※マーガレット王女は生前、自由奔放な恋愛や離婚などの経験をされていた事やガータースター勲章を授与していなかったことなどからなのでしょうか? レッジャーストーンに、マーガレット王女の名前はありません。

下記のtwitterの画像は合成画像で作られたイメージのようです。

このレッジャーストーンの下にある狭い空間に、下図のように2段に置かれた棺が4つ(ジョージ6世/エリザベス1世/エリザベス2世/フィリップ殿下)と、マーガレット王女の遺灰が納められています。

キング・ジョージ6世記念礼拝堂の地下にある納棺堂
画像出典:TT News のサイトより

まとめ

ガーデンローズ
GLadyによるPixabayからの画像

ご遺体は火葬するのが基本の日本で育ったボク、地中にも埋葬されず、納棺堂に納められたエリザベス女王の棺がこの後どうなっているのか気になって仕方なかったので調べてみました。欧米では葬儀とセットでエバーミングという処置が行われていることを初めて知りました。日本でも、亡くなられてから葬儀に時間がかかる場合や、国内から国外にご遺体を搬送する際などにはエバーミングが行われているそうです。日本のエバーミングについて興味のある方はコチラのサイト一般社団法人 日本遺体衛生保全協会 をご参照ください。

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