なぜフジテレビは港・大多を提訴した?中居正広問題の裏側を考察

2025年6月5日、フジテレビは「中居正広氏とフジテレビを巡る人権侵害問題」に関して、港浩一元社長と大多亮元専務を提訴すると発表しました。フジテレビが二人を提訴した理由は、「中居正広氏とフジテレビを巡る人権侵害問題」において経営者として取るべき対応を取らなかったとする、「善管注意義務違反」を問う損害賠償請求訴訟だと言われています。しかし、フジテレビが被った損害は200億円を超える巨額なものです。港・大多両氏個人に対する提訴で、この巨額損害が回収できるとは現実的に考えにくく、また既に進行中のフジ・メディアHDの株主代表訴訟とも内容が重複しています。そこで今回は、フジテレビがこの二人を提訴した本当の理由は何なのか? 損害賠償以外の目的があるのではないか? という視点からこの提訴を深掘り考察していきます。

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フジテレビが港元社長・大多元専務、両氏を提訴した真の狙いとは?

2025年6月5日に、フジテレビが港浩一元社長と大多亮元専務を提訴すると発表したことは、世間に少なからず衝撃を与えました。この訴訟は、港浩一元社長と大多亮元専務の両氏に対する損害賠償請求訴訟になると思われますが、正直、200億円以上の損害が出ていますからこの二人から回収できる金額ではありません。また、二人を提訴したところで、フジテレビの置かれた状況が改善するとはとても思えません。

ならなぜ、フジテレビは
港浩一元社長と大多亮元専務を提訴したのか?

フジテレビが今、行うべきことは「人権意識が薄すぎる」、「企業ガバナンスが機能していない」と評価され失墜した企業の信用を取り戻し、CM出稿を引き上げた企業に1日も早く戻ってきてもらう事です。

なので
この一見無意味にも思える二人の提訴は、
フジテレビの信用回復に向けた
一手なのではないか?
と推測します。
どういうことか、
以下で詳しく解説します。

フジテレビが港浩一元社長と大多亮元専務を提訴した場合の予想される裁判の展開

港浩一元社長と大多亮元専務の両氏が提訴された場合、争われるのは「善管注意義務違反」について争われることになるでしょう。

「善管注意義務違反」とは、会社の役員や管理者が、その立場で求められる注意深さを怠り、会社に損害を与えた場合に問われる責任のことです。簡単に言えば、「フジテレビの取締役としてすべきことをしなかった、そのためにフジテレビは巨額の損失を出した」という事になります。今回の件で、フジテレビの取締役としてすべきだった事は、以下になります。

「善管注意義務」について争うという事であれば、二人は、「善管注意義務」に違反していない事を主張する流れになるのではないか? と推測します。簡単に言えば、「自分たちの取った対応はあれで間違ってなかった!」と主張するものと思われます。

しかし、本記事では
別の角度からこの提訴を分析します!

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港浩一元社長と大多亮元専務は「善管注意義務」に違反していない?

港浩一元社長と大多亮元専務の取った行動は、一見間違っているように見えますが、実は正しかったという展開にするための構成は以下になります。

フジテレビ第三者委員会の調査報告書を見ますと、部下から本事案について報告を受けた港浩一元社長と大多亮元専務が何より恐れたことは、被害に遭ったとされる女性Aが自ら命を絶ってしまうのではないか? という心配でした。第三者委員会の調査報告書には以下の様な記載があります。(※Googleからの記事評価を下げる恐れがある言葉については伏字を用いています)

港氏の証言1
最優先は女性Aの命を守ることであり、本人を刺激することなく、意向に沿ったケアをすることが一番大事だと思った。自 の恐れが一番怖かった。テラスハウスの件のようになったら責任をとれないという思いがずっとあった。

大多氏の証言1
港社長としては、それ以外の人に言うと絶対に広まる可能性がある、仮に広まってしまえば女性の命を危険にさらすことになるという考えのもと、医師に女性Aのケアをしてもらいつつ治るのを待とうということになった。中居氏の番組については、憶測を呼ぶような終わらせ方をすると「なぜだ？」となってしまって女性Aの命を危険にさらすため、「自然な形で終わらせよう」という話をした。

引用：フジテレビ第三者委員会調査報告書より

そうなんです。港浩一元社長と大多亮元専務も女性Aから直接報告を受けたわけではありません。女性Aが精神混乱状態になっている様子や泣きじゃくっている様子を目の当たりにしたわけでもありません。それなのに、二人は執拗に女性Aの命を気遣っているんですよ。

騒動が起きた時、フジテレビ側が中居正広氏に一切事情を聞き取らず、内々で処理しようとしていた向きがありました。一般の人から見たら、大物芸能人にテレビ局はそこまで忖度して気を回さなきゃならないのか? と驚く程フジテレビ側は中居正広氏に接触しませんでした。フジテレビ側が中居正広氏に聞き取りを行わなかった理由について、調査報告書には以下の記載がありました。(※Googleからの記事評価を下げる恐れがある言葉については伏字、または言いかえを用いています)

港氏の証言2
中居氏へのヒアリングは、ヒアリングを契機として中居氏が女性 A に反論したり攻撃するなどの危険があり、女性Aへの「刺激」になり得ること、そのため、女性Aの病状悪化を招くリスクがあること、あるいは自 を招きかねないこと、番組起用を止めた場合、憶測を呼び、中居氏の熱狂的なファンから女性 A に対して誹謗中傷が浴びせられるなどして女性 A にさらなる精神的負担が生じる可能性があること等から、この時点では中居氏へのヒアリングを避けるべきであると判断し、女性 A の心身の回復を待ち、業務復帰をしてから検討することとなった。 女性Ａの意思確認が不十分であった点は否めないが、当時の状況を鑑みると、女性 Aの心身を最優先にすることがあったので、間違いではなかったと思う。

大多氏の証言2
人権方針を踏まえて、本事案において本来であれば私たちが取るべきだった行動が分からない。その点は第三者委員会に判断してもらうことなのだと思う。ただ、私はガバナンスを効かせることで組織（CX）は守れたとしても、人が亡くなってしまうという結果になってしまうことはあり得ないと考えた。

引用：フジテレビ第三者委員会調査報告書より

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中居正広氏にヒアリングすると、
女性Aが攻撃されるかもしれない
それによって
女性Aが自ら命を絶ってしまうかもしれない
という港元社長の発想。。。

これ、一般人からしたらちょっと飛躍し過ぎた状況の捉え方の様に思えますよね。しかし港浩一元社長と大多亮元専務にこのように考えさせてしまう状況がそこにあったとしたら、二人が女性Aに取った行動は、女性Aの人権を侵害するものではなく、女性Aに配慮した行動だった可能性があります。二人は取締役としてすべき行動をしていたのかもしれません。

なぜ二人は、
ここまで女性Aの自 を心配したのか?

これを合理的に説明するなら、
港浩一元社長と大多亮元専務は
2023年6月2日に、
女性Aが中居正広氏から
何をされたのか詳細を知っていたから
だと推測します。

2023年6月2日に
中居正広氏が女性Aに対して行った行為は
女性Aが自 してもおかしくない程の
問題のある行為だった可能性があるのです。

確かに、中居正広氏と女性Aとの間には守秘義務契約が交わされ、2023年の6月2日に起きた事と、示談の内容について、口外禁止とされています。

しかし、
示談が成立したのは、
2024年1月7日で
かなり時間が経過しています。

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2023年の6月2日に起きた事件の詳細を知る人物達

この騒動を見守っている一般の方たちは、2023年の6月2日に起きた事を知っているのは中居氏宅にいた当事者の二人だけだと思っている方、多いと思います。でもそれは間違いです。

女性Aは騒動が起きた2023年6月2日の4日後の6月6日にはフジテレビの産業医Cと産業医Dに報告しています。この報告では中居正広氏の行為を具体的に話しています。さらに同日、フジテレビアナウンス室長Eにも報告しています。翌日、6月7日には、アナウンス室部長Fにも報告。7月13日にはアナウンス室長Eから編成局長Gと人事局長Hに報告されました。そして8月21日に、編成局長Gが大多元専務に報告し、その場で大多元専務から港元社長に報告されました。フジテレビ第三者委員会の報告書を読み込めば、この8人の方たちは概要を知らされただけでなく、事件の詳細を把握していた事が分かります。

2023年6月2日に中居氏宅で中居正広氏が女性Aに対して何をしたのか詳細を知っている人達	産業医C	医師としての守秘義務有
	産業医D	医師としての守秘義務有
	アナウンス室長E	守秘義務なし
	アナウンス室部長F
	編成局長G
	人事局長H
	大多元専務
	港元社長

産業医CとDの二人には医師としての守秘義務がありますが、それ以外の6人には守秘義務はありません。フジテレビ第三者委員会の調査に協力するという大義があれば、女性Aから報告を受けた2023年6月2日の中居氏の行為態様に関する具体的な供述内容を第三者委員会に話していても不思議ではありません。

港浩一元社長と大多亮元専務の提訴はフジテレビを上げて、中居正広を下げる可能性

要するに
提訴された港浩一元社長と大多亮元専務が、
裁判で「善管注意義務違反」を否定。

どのように正当化する?

部下から報告された
中居氏の行為に大きな問題があった。
放っておけば
女性Aが自ら命を絶つかもしれない。

だから彼女を守る事に集中した。
彼女に危害が及ばないように、
中居氏に事情も聞き取らなかった。

この酷い話が
広がらない事だけに注力した。
コンプライアンス推進室にも
取締役会にも報告できない。
こんな酷い話は
何とかして隠し通さなければ。。。

彼女が回復して笑顔を取り戻すまで
待つしかなかった。

と主張し、港浩一元社長と大多亮元専務は
裁判を戦う可能性があります。
この裁判によって、
守秘義務で隠されてきた
中居正広氏の事件当日の行動が
明らかにされる可能性があります。
港浩一元社長と大多亮元専務の行動は
女性Aに寄り添った行動だと証明され
別の角度から見れば「善管注意義務」を
全うしていたという解釈が
成立する可能性があります。

フジテレビとしては、港浩一元社長と大多亮元専務を提訴することで、隠された中居正広氏の行動を公にし、フジテレビの信用回復を狙っているのかもしれません。もし推測が正しいとすれば、実に巧妙な裁判です。完全にフジテレビ上げ、中居正広氏下げとなる裁判です。

世間の人々が港浩一元社長と大多亮元専務の行動に納得し、共感が得られれば、フジテレビにCMを出稿する企業が戻ってきそうですよね。フジテレビが信用回復できる機会は実はそんなに多くないと思われますからこのチャンスにかけるのではないかと考えます。

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まとめ

フジテレビが港浩一元社長と大多亮元専務を提訴すると発表した裏には、フジテレビの信用を回復させるための策があるのではないかと考察しました。

この騒動を見守っている一般の方たちは、中居正広氏と女性Aとの間に何があったのか? 当事者の二人しか知らないと思っている方多いと思いますが、フジテレビ側の関係者8人はその詳細を知っていて、この方たちがフジテレビ第三者委員会に報告している可能性についても解説しました。

第三者委員会は女性Aからフジテレビに伝わった情報を全て聞き取って、2023年6月2日に起きていた事を把握していると思われます。中居正広氏側からの聞き取りが出来なかった中で、第三者委員会はWHOが定義する「  ぼうりょく」の基準を用いて事実認定を行ったものと思われます。

港浩一元社長と大多亮元専務の裁判が本記事が推測した通りに展開するのか? 注目です!

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