水原一平「窃盗・横領疑惑」の経緯と大谷翔平の行動を時系列で解説

「ESPN」が南カルフォルニアの違法ブックメーカーの銀行口座に「大谷翔平」名義の送金記録を発見したのが今から数カ月前だったとの事。確証が得られない情報だったので「ESPN」は各所に取材を重ね情報収集。

「ESPN」が上記の情報の裏を取って確証を得たのが2024年3月10日の夜遅く。「ESPN」は違法ブックメーカーの銀行口座に「大谷翔平」名義の送金記録があった事について説明を求める質問状を以下の4か所に送付。

• 大谷翔平選手の代理人ネズ・バレロ氏
• ドジャース
• MLB役員
• カリフォルニア連邦捜査当局

3月10日は、大谷翔平選手はアリゾナ州フェニックスのキャメルバックランチでスプリングトレーニングの真っ最中。水原一平氏も帯同していました。

3月11日のスプリングトレーニングの様子

大谷翔平選手が新婦の真美子さんを初めて公の場で公開。世界中で大反響。韓国へは水原一平氏と奥様も帯同。水原一平氏の奥様の顔出しも今回が初めての事。奥様は真美子夫人のサポートをされていました。

14 – 3でドシャース勝利
大谷翔平選手は2打席連続三振。いいところなし。4回に途中交代で退く。

MLB→カリフォルニア連邦捜査当局に問合せ

MLBは違法ブックメーカーの銀行口座に「大谷翔平」名義の送金記録があった件についてカリフォルニア連邦捜査当局に問合せ。→回答なし。

「ESPN」調べ
韓国に帯同していたMLBコミッショナー／ロブ・マンフレッド氏が「大谷翔平に何かあったらしい」と連絡を受ける。それを受けて、MLBはカリフォルニア連邦当局に「大谷翔平に何かあったか?」と問合せを実施→返答なし

3月18日午後19時(日本時間)
MLB韓国ソウルシリーズ／エキシビジョンマッチ
ドジャース×韓国代表

5 – 2でドジャース勝利
大谷翔平選手は3打数無安打。いいところなし。7回に途中交代。

「ESPN」→ネズ・バレロ氏(大谷翔平代理人)に連絡
2023年の9月と10月の2回、南カルフォルニアの違法ブックメーカー／マシュー・ボウヤー氏の運営先に「大谷翔平」名義の送金があった。送金額はそれぞれ50万ドル、合計100万ドル。この件についてネズ・バレロ氏に説明を求める。→回答なし。

大谷翔平選手の危機対応広報担当者(以下、広報担当) が急遽立てられ、その後の「ESPN」とのやりとりを担当、窓口になる。

広報担当→「ESPN」に説明
数時間にわたり情報交換を行うも、広報担当は大谷翔平選手から事情を聞き取り中と説明。

広報担当→「ESPN」に説明
「大谷翔平選手が水原一平氏の借金を肩代わりした」と回答

ネズ・バレロ氏(大谷翔平代理人)→水原一平氏に聞き取り
水原一平氏はネズ・バレロ氏に「50万ドル単位で大谷翔平選手が水原一平氏の借金を払っていた」と説明。

※この時点で大谷翔平選手とネズ・バレロ氏が直接やり取りしていたかは不明。

広報担当→大谷翔平選手に聞き取り
大谷翔平選手は広報担当に「はい、複数回に分けて送金しました。50万ドルが送金できる最大額でした」と説明。

「ESPN」→広報担当に要望
「ESPN」は広報担当に、水原一平氏に直接取材させてほしいと要望を出しました。

広報担当→「ESPN」に説明
広報担当は「ESPN」に「水原一平氏の借金は少なくとも450万ドル(日本円で約6億8000万円)ある」と説明。「ESPN」側は別情報からその情報はすでに把握済み。さらに「大谷翔平選手はこの借金を全額完済させている」と説明。

3月20日午前11時30分(日本時間)

「ESPN」→水原一平氏に直接電話取材
「ESPN」が水原一平氏に対して90分に及ぶ電話インタビューを実施。このインタビューは広報担当がセッティングした上、同席もした。インタビューの内容は非常に濃いものでした。

インタビュー内容

• 水原一平氏と南カルフォルニアの違法ブックメーカー／マシュー・ボウヤー氏との出会いは2021年のサンディエゴのポーカーゲーム会場。
• この時、エンゼルス時代の大谷翔平選手の同僚で友人のデビット・フレッチャー(現 アトランタ・ブレーブス) も同席
• フレッチャーが水原一平氏とマシュー・ボウヤー氏を引き合わせたわけではない。
• フレッチャーの知り合いが、マシュー・ボウヤー氏をポーカーゲーム会場に招いた。
• フレッチャーは1度、マシュー・ボウヤー氏とゴルフをしたことがある。
• フレッチャーはマシュー・ボウヤー氏の違法ブックメーカーで賭けをしたことは1度もない、と証言。
• ポーカーゲーム会場で水原一平氏とマシュー・ボウヤー氏が出会って間もなくして、水原一平氏はマシュー・ボウヤー氏の違法ブックメーカーで賭け始める。
• 水原一平氏はマシュー・ボウヤー氏のブックメーカーが合法と思い込んでいた。
• 水原一平氏は以前、Draft Kingというブックメーカーでスポーツ賭博(スポーツベッティング)をしていた。
• エンゼルス在籍時の水原一平氏の年俸は約8万5000ドル(日本円で約1012万円)。
• 2022年の末頃には水原一平氏の損失は100万ドル(日本円で約1億5172万円)以上に膨れ上がり、友人や家族から借金せざるを得なくなっていた。
• 水原一平氏はギャンブルで作った借金の件を大谷翔平選手に隠していた。
• 水原一平氏は大谷翔平選手のライフスタイルに合わせる事にストレスを感じており負担も大きかった。この思いも大谷翔平選手に話せなかった。
• 水原一平氏と大谷翔平選手との関係はまさに「兄弟」。水原一平氏は妻といる時間よりも大谷翔平選手と長い時間を過ごしていると語る。
• 2023年の初め頃には水原一平氏の損失は400万ドルに達する。大谷翔平選手からの信頼を失う事を恐れもしたが、それ以上にこのままでは借金取りが自宅にやって来て身に危険が及ぶことを心配して、借金の話を大谷翔平選手にして、助けてほしいと懇願する。→大谷翔平選手は、いい顔はしなかったけれど、それでも「助ける」と言ってくれる。
• 大谷翔平選手は、水原一平氏の借金相手が賭博業者だと知っていたか?→全く気付いていなかった。
• 水原一平氏は借金の詳細は語らずに単に「借金を返済するために送金する必要がある」とだけ大谷翔平選手に伝えた。
• 大谷翔平選手は水原一平氏の借金が違法なものかどうかの質問もしなければ、疑問を投げかける事もしなかった。

インタビューの続き

• 大谷翔平選手が水原一平氏の借金の肩代わりに同意。
• 水原一平氏が見守る中、大谷翔平選手は自分のパソコンから自身の銀行口座にアクセスしログイン、数カ月間に渡り50万ドル(日本円で約7571万円) の送金を8～9回行う。
• 大谷翔平選手は送金の際、概要欄に「loan(借金)」と記載した。
• 最終送金は2023年10月だった。

大谷翔平選手は2023年9月19日の事でした!

• 大谷翔平選手が水原一平氏の借金を肩代わりすることで自分たちにリスクがあると考えたか?→全く考えなかった。
• 水原一平氏は「ESPN」に対し正確な損失額は明示せず、「少なくとも450万ドル」であることを認める。「恥ずべきこと」とも述べている。
• 水原一平氏は妻にも借金の事を話していない。
• 水原一平氏は大谷翔平選手に借金を肩代わりしてもらった後、数週間は気まずい気持ちになっていた。大谷翔平選手に申し訳ないとも思った。しかし、大谷翔平選手はすぐに前を向き、いつも通りに振舞っていた。
• 水原一平氏は大谷翔平選手に肩代わりしてもらったお金は返済すると伝えた。
• 大谷翔平選手は賭け事に全く興味がなく、「賭博は悪い事」と認識しているという。

10 – 4でドジャース勝利
大谷翔平は5打数2安打1打点1盗塁、チームの勝利に貢献。大谷翔平選手と水原一平氏、ベンチで談笑。

3月20日午後10時(日本時間)

MLBは水原一平氏と「ESPN」とのインタビューの内容について、また大谷翔平選手が水原一平氏の借金を肩代わりした事について把握していた。

ドジャースオーナー／マーク・ウォルター氏→ドジャース・チームに発言
マーク・ウォルター氏はクラブハウスで試合後のミーティングに立ち会い、選手たちに「ネガティブな報道が出る」と話した。

水原一平氏→ドジャース・チームに謝罪
水原一平氏はドジャース・チームに対して謝罪し「自分はギャンブル依存症だ」と打ち明けました。

ドジャース幹部／アンドリュー・フリードマン→ドジャース・チームに発言
アンドリュー・フリードマンはドジャース・チームに対して「大谷翔平選手が水原一平氏の借金を肩代わりした」と語った。

広報担当→「ESPN」に説明
20日の開幕初戦後、スタジアムからホテルへの道中で大谷翔平選手は試合後のクラブハウスで何が話されていたのか? を水原一平氏ではない通訳に質問を始める。→クラブハウスで話されていた事を理解した大谷翔平選手は、「水原一平氏の説明は認めない」と自信の代理人／ネズ・バレロ氏に伝えた。

ドジャース関係者及び広報担当→「ESPN」に説明
大谷翔平選手が代理人／ネズ・バレロ氏に連絡をする際は常に水原一平氏が間に入り通訳していた。また、代理人／ネズ・バレロ氏が大谷翔平選手に情報を伝える際にも、間に必ず水原一平氏が介入していた。水原一平氏は大谷翔平選手にすべての状況を伝えていなかったと説明した。

広報担当→「ESPN」に説明
大谷翔平選手は3月20日になって初めて、お金が無くなっていることに気付いたと説明。

広報担当→「ESPN」に要請
広報担当は「ESPN」に対し、水原一平氏のインタビュー記事を掲載しないように要請した。不掲載の理由は「水原一平氏は嘘をついていた。大谷翔平選手は何も知らない」と説明。

3月21日午前2時15分(日本時間)

「ESPN」→広報担当に要請
事態に混乱した「ESPN」はこの件について30分以内に公式コメントを出すように要請。広報担当は午前3時までに公式コメントを出すと約束。

3月21日午前3時(日本時間)

大谷翔平選手の弁護士事務所「バーク・ブリトラ―法律事務所」が声明を発表
「最近のメディアからの問い合わせに対応する過程で大谷翔平選手が巨額の窃盗被害に遭っていた事が発覚した。この件は当局に持ち込む予定です」と発表。それ以上の質問はシャットアウト。犯人についても言及なし。

ドジャースが水原一平氏を解雇

「ESPN」→水原一平氏に電話取材
水原一平氏はインタビューで嘘をついていたとして多くの発言を撤回。
大谷翔平選手は水原一平氏がギャンブルをしていた事は知らなかった、水原一平氏に借金があった事も知らなかった、返済に向けた行動についても何も知らないと説明。

窃盗や横領の疑惑について尋ねる→「明らかにこれは私の責任。やったことは全て私の過ち。全ての結果を受け入れる覚悟は出来ている」と説明。

電話取材の内容

• 大谷翔平選手が状況を把握したのはいつ?→答えられない。
• 大谷翔平選手の代理人が水原一平氏の弁護をしていますか?→いいえ。
• この取材に答える事で何らかの報酬を受け取っていますか?→いいえ。
• こういった発言をするは、何かに合意をしたからですか?→いいえ。
• 自分の意志で話していますか?→はい。
• 野球に賭けましたか?→いいえ。
• 大谷翔平選手に嘘をつきましたか?→はい。
• 取材内容を大谷翔平選手に伝える際、意図的に誤った情報を伝えた事はあるか?→そのような事は一切ありません。

電話取材の後メールで質問

• 大谷翔平選手の銀行口座から無断でお金を盗みましたか?→無回答

広報担当→「ESPN」に説明
ここ数日起きた事は、水原一平氏が通訳という立場を悪用して、大谷翔平選手に対して情報統制を行っていた、と説明。大谷翔平選手は3月20日の開幕初戦後のクラブハウスでのミーティングで話されていた事が理解できておらず、新しい通訳に自身の疑問を質問することでやっと事態を把握したと説明。

大谷翔平選手は何も知らず、調査が行われている事すら知らなかったと説明。

15 – 11でパドレス勝利
大谷翔平は5打数1安打1打点、観客の期待に応えきれず。